text by 稲葉絵美

稲葉絵美のUK便り

第14回 一流

先日Royal Albert Hall でのWynton Marsalisのコンサートへ行ってきました。
http://www.royalalberthall.com/ http://www.wyntonmarsalis.com/
Jazz at Lincoln Center の Director、グラミー賞9回、
しかもたった一人のクラシックとジャズの両方での受賞者である彼が、
Lincoln Center Jazz Orchestra と
London Philharmonic Orchestra+Choraleと壮大なるステージ。
あまりにも有名で肩書きは良く知っていても、さて、どんなステージになるのだろうと思うと、
NoIdea.....ここまで一流で、マルチな理由は?と、とても楽しみにしていた。

私が幼い頃一番好きで、影響を受けた作曲家はGershwinとBartokだった。
そのスタイルになにかジャンルというものを感じなかったからだと思う。
ミュージシャンやジャンルに全くこだわりがなく、
おもいきりクラシックピアノのみをやってた頃の私のみを知っていた人は
バンドでキーボード弾いてる姿が想像つかないだとか、
バンド活動で知り合った人は私の自作曲での生ピアノ演奏を聴くとなぜかびっくりしている。
挑戦したいことがありすぎる、クラシカルな曲での四重奏、
ジャズフュージョンを3ピースバンドで、ドラムンベースもやりたい。
でも最終的な目標はやっぱりジャンルを超えて、フルオーケストラでやること。
フルオーケストラでのピアノ演奏を今まで2回だけ経験したことがあるけれど、
どんなにかっこいいジャズバンドや素敵なピアノソロもあのスケールと感動には勝らないだろう…、
前のコラムで書いたけれど、今年運良くイベントでのオーケストラのアレンジを手伝う機会を頂いた。
ピアノのパートを書かせてもらった以外は作曲者の原譜に沿って
コンピューターでパート譜のアレンジの仕上げをする作業で、
スコアで読み取って頭で流れていたまだ聞いたことのない曲が
初めてフルで演奏されたリハでの生音にはとても感動した。
いつか自分の曲でフルオーケストラ演奏を実現できるようになりたいと思った。

Wynton Marsalisは豆粒のようにステージに並ぶあの壮大なオーケストラの中の一人として
トランペットを吹いていたが、あの一人があれだけのことを書くって本当にすごい。
本物の音楽、音で勝負してる。Chorale の肉声や足踏みの音が曲に魂を吹き込んでいるようで、
人間性、生の音を感じた。曲が色とりどりで、
作品がまるでひとつの名作本を読み終えて旅して来たような感覚というか、
自分が夢見る領域を現実にやり遂げ結果をだしている、とにかく良かった。
アンコール後の鳴り止まない拍手の中、あーソロのトランペット聴きたかったなーと思っていると、
最後の最後に、きれーーーーーーいな音で、ピアノとの静かなソロ。
パフォーマンスとかエンターテイメントとか迫力とか色々あるけど、
”音楽”で勝負できる彼のような一流になりたい。
自分流だけだはなくあんなふうにマルチに可能性を広げたい。
リサイタルはやったもののあれだけ練習するなら自分の曲書くことに時間使いたいと、
かなりの間クラシックをさけてきて、、難しい既成曲を昔のようにはこなせなくなっている、
が、依頼があったのでいい機会と思って引き受けたブラームスのトリオのぶあついピアノパート譜が
今日ポストに届いていて、さらっと弾いてみたが…、うむ…。
がんばるぞ。

2005/10/09

バックナンバー

Topページにもどる